★ 古い本3巻 人間狩り事件 
 
かつて赤月帝国とクールーク皇国の国境で起きた 
悲しい出来事についてここに記す。 
 
赤月帝国とクールーク皇国の間には 
積年のいさかいがあり長きにわたり、 
互いの体力を削りあっていた。 
 
しかし、赤月側の申し出を受ける形で 
両者は無期限の停戦を実施することとなった。 
 
そんな中で、たぎる血をおさえられなかったのが 
国境付近を治める赤月側の貴族一派であった。 
 
クールークとの戦いで名をあげていた彼らは 
停戦という状態にしびれをきらし 
やがて、そのいらだちが「狩り」へと 
変わったといわれている。 
 
彼らは辺境の小村を次々と襲っていった。 
このとき彼らはクールークの兵士に 
偽装していたとういう。 
 
そのためか、長い間これらの一連の事件は 
国境紛争と認識されていた。 
 
ようやく事態を掴んだ赤月帝国の軍師たちが 
彼らに忠告を与えるも 
「これはクールーク軍の奇襲に対する抵抗にすぎない」 
と言って彼らは聞かなかった。 
 
そうした中、軍師の配下の一人が 
なんらかの巨大な力を使い 
貴族一派を殺害するという大事件が起こる。 
 
この軍師は、赤月帝国から即座に追放となった。 
 
しかし、この事件以後、 
人間狩りは報告されなくなったという。 
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